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庚申供養塔
高さ104センチメートル、幅51センチメートル、材質は硬い砂岩系の自然石です。石塔の中央に「庚申供養塔」と彫り、左右に「明和三丙戌載 冬十一月吉日」と造立年月を刻んでいます。上部は中央に青面金剛を梵字(ぼんじ)であらわした種字(しゅじ)を刻み、左右に日月を描いています。下部には「南大子村 東宝乗院道 北大生瀬」と行き先を示したみちしるべを併記しています。宝乗院は、元池田村の本石塔より約500mほど北東にあった真言宗の寺で、小沢山宝乗院千寿寺(友部村法鷲院末寺、嘉吉2年開基)といい、江戸天保期に廃寺となったものでする。本石塔の造立は、明和3年(1766)、江戸時代中後期です。
庚申塔(こうしんとう)は、庚申の夜眠ると人身にいる三尸(さんし)の虫が睡眠中の身体から抜け出て天に昇り、天帝にその人の罪を告げ命を縮めるから、寝ないで徹夜するという庚申待(こうしんまち)にからんで造立されたものです。その種類は豊富で変化に富みますが、多くは悪疫調状の青面金剛(しょうめんこんごう)やその使いの三猿を刻んでいます。文字塔も多く、庚申、庚申塔、庚申供養塔、青面金剛、猿田彦大神、庚申尊などさまざまです。庚申信仰は、中国の道教の守庚申に由来する禁忌で、日本には平安時代に伝わり、江戸時代に盛んに行われました。
本石塔は、庚申供養塔の文字に青面金剛を種字(梵字)であらわし、これにみちしるべを併記して道標としたもので、本町内では数少ない石塔の一つです。
- 区分:大子町指定文化財
- 種別:有形民俗文化財
- 員数:1基
- 所在地:池田1643
- 指定年月日:昭和50年9月12日
地図を見る:庚申供養塔
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