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文化遺産を調べる
仲山古墳群
先土器時代
昭和58年8月、矢田地内にある仲山古墳群3号墳を発掘している時、この古墳を造るために削った関東ローム層(火山灰)から頁岩の剥片が出土しました。この剥片は、自然のものではなく、明らかに人の手によって剥離されたもので、石器を作る時に出る剥片であることが分かりました。しかも、関東ローム層上部に入っていたことから、先土器時代の遺物であることも判明しました。
関東ローム層のある所から発見されたことは、大子町にも先土器時代に人が住んでいたことを実証する結果となりました。
弥生時代
昭和58・9年に行われた本町の仲山古墳群3号墳の発掘調査で、墳丘に利用した土の中から縄文式土器とともに弥生式土器片が発見されました。この土器片は、一時期だけのものではなく、多少の時間差をもったもので、中期後葉から後期初頭頃に位置付けられる土器群です。
出土した土器片は、いずれも壺の破片で、口縁部片、胴部片に分けられます。口縁部片の文様には、半截竹管による二本の沈線で連弧を描いたものと、やや形のくずれた波状文を描いたものが見られます。胴部片の文様は、口縁部と同じ施文具による沈線の渦文と、付加条縄文と呼ばれる縄目の中に条を入れて施文したものが見られます。これらの土器片は、内面に煤の付着が見られたり、2次焼成した痕跡があることから、煮沸用に使用されたものと考えられます。この土器片は、茨城県における弥生式土器の編年で示されている、中期後半の足洗式土器に見られるものです。
この他、この土器より時期が新しい壺形土器の口縁部片、胴部片があります。口縁部は複合口縁のように厚みをもたせ、箆状工具によって刺突文が廻らされています。文様は、斜行する直線的な4条の櫛描文が見られます。胴部は、付加条縄文が全体を覆っています。この土器片は、後期前半の東中根式土器に近い様相をもったものです。
この遺跡から出土した土器片を確認する限り、中期後半に人々が住み始め、後期前半まで住んでいたと考えられますが、その後のことは確認できません。
古墳時代
「仲山古墳群3号墳出土遺物」をご覧ください。
- 区分:遺跡(周知の埋蔵文化財)
- 種別:古墳群
- 所在地:矢田字仲山187ほか
- 時代:旧石器、縄文、弥生、古墳、奈良・平安
地図を見る:仲山古墳群
※別ウィンドウで地図が表示されます。
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- 2014年4月30日